完成してしまった道重さゆみと、未完成のモーニング娘。'14
※ 今回の記事は、いつもに増してまとまりがなく、そして恐ろしく長々と、記されたあるさゆヲタの卒業前そして卒業以降の気持ちの記録です。決して卒コンレポなどではありませんので、予めご了承ください。 ※
3ヶ月前、私はこれまで地道にハロプロをステマし続けてきたジャニヲタの友人を、初めてモーニング娘。'14のコンサート(2014秋GMMLツアー武道館公演2日目)に連れて行くことができました。その時友人が「ほんとうに、卒業しちゃうんだねぇ、なんか不思議だね」と静かに呟きました。
ジャニーズの長い歴史において、稀に転職や脱退はあっても、卒業はありません。
男性アイドルはいつまでも卒業なんてしないのに、どうして女性アイドルには卒業なんてものがあるのだろう、改めて考えると不思議だなぁと私も思いました。
そこからは思えばあっという間。いろいろと噛みしめる暇もなく、11月26日がやってきていました。オープニングアクトでJ=Jとスマイレージが出てきたことは覚えているのですが、彼女たちがどんな表情でどんなパフォーマンスを行ったのかほとんど思い出せないほど、私はふわふわした気持ちのまま、道重さゆみの卒業公演開演を迎えていました。開演前のぼんやりとした意識の中で唯一妙にはっきりと覚えているのは、J=Jもスマイレージも皆、さゆの卒業記念ピンク色のシリコンバンドを着けていたことでした。
もちろん、道重さゆみがステージ上に現れてからは、必死に彼女の姿を目で追い続け、笑ったり悔しがったり心配したり涙したり、彼女の一挙一動に心を揺さぶられました。悔しさや寂しさもありましたが、間違いなく私にとって(そしておそらく全てのさゆヲタとさゆを愛する人たちにとって)幸せな時間でした。
それから、日々が過ぎる中で、何度も何度もあの日の気持ちを文字にしようとパソコンの画面と向き合いましたが、何も書き出せずにいました。どことなく新生モーニング娘。'14の映像を見るのも、それから卒業間際の道重さゆみの映像を見るのも、避けてきたように思います。
寂しさといくらかの悔しさが混ざり合って、その気持ちを言葉にするのはおろか、気持ちに向き合うことさえ、なかなかできていませんでした。大げさですが、私の道重さゆみとモーニング娘。への気持ちはあの日の横浜アリーナに置いてきてしまったみたいだとさえ思いました。
私は大抵、ジャニ関連(特にカツンちゃん*1)でキツいな、嫌だなと思うことがあると、ハロプロに助けられてきたし、ハロプロ関連でキツいな、嫌だなと思うことがあると、ジャニーズに助けられてきました。(こういうとき、心底兼ヲタでよかったなと思います。)
つまり、結果から言うと今回はジャニーズに救われました。
12月17日、約三週間ぶりの現場でした。ジャニーズJr.が定期的に行っている「ガムシャラJ's 祭*2 vol.6」に行ってきました。(実は、同日スマイレージ(現・アンジュルム)も改名前最後の大切なライブを行っていましたが、個人的に今回はこちらを選んでいて正解だったと思います。)
ジャニーズJr.、いわばジャニーズのタマゴである彼らがステージで先輩の曲を歌い踊り、無邪気にオチもクソもないMCを回し、よくわからないガムシャラチャレンジ(今回はサンタコスプレでグラスハープ)をし、一生懸命汗を流していました。彼らはすばらしく未完成でした。伸びしろも突っ込みどころも満載でした。公演後、友人と餃子をビールで流し込みながら、ああでもない、こうでもないと、出演していたJr.について勝手な分析や展望を話ました。
友人と分かれ、ひとりで家路に着くなかで、なぜだかふっと、あの日のことを思い出しました。そして、“あの日、横浜アリーナにいたのは、アイドルとして完成した道重さゆみと、未完成のモーニング娘。'14だったなぁ。”と思いました。そのときやっと、道重さゆみ卒業という事実をリアルな感触で受け止められたように思えました。
以前、私はこんなことをブログに書いたことがあります。
“ある種終わることが前提とされている消費の早い女子アイドル界で、モーニング娘。は果敢にも残酷にも終わらないことを目指し続けている
(中略)
モーニング娘。にはゴールも完成も、ない”
道重さゆみの大親友であり同期であった、亀井絵里はモーニング娘。 は《永遠の愛の形》だと、言いました。モーニング娘。が未完成であり続けるのは、永遠に続くことを目指しているからです。だからこそ、アイドルとして《完成をした》道重さゆみには、卒業という選択肢が許されたのだな、と今は思います。
正直に言うと、11月26日には「おめでとう」と心から言うことはできなかったけど(恥ずかしながら、れいなや中澤さん、メンバーが口々に「おめでとう」と言っているのをきいて、「めでたいことなの、か・・・?」などと思っていた)、今やっとしっかりと「おめでとう」と思えています。
「私ってモーニング娘。に要るのかな」と思っていた少女が、モーニング娘。の一員として《完成した》こと、そして卒業を迎えたこと、それは間違いなくおめでたくって素晴らしいことだと、今更ながらやっと気づけた気がします。
最近では、やたらと神格化されて、長い在籍期間についても賞賛されるさゆちゃんですが、実は娘。メンバーの一員として《完成》するまでに最も長い時間を要した、とも言えるかもしれません(笑)。
でも彼女が《完成》に長い時間を掛けてくれた分、本当にたくさんの幸せな時間を過ごせました。感謝の気持ちでいっぱいです。
これからは、道重さゆみというアイドルとしてではなく、
道重さゆみというひとりの女性としても、幸せになってほしいと心から思っています。
たくさんありがとう、これからも大好き、そして、おめでとう。
【ライブレポート】そこにあったのは覚悟とプライド。モーニング娘。'14 道重さゆみ卒業公演 | モーニング娘。'14 | BARKS音楽ニュース